え〜とですね、最近オークションなどで比較的安く買える機会を狙いまして、三協のカード式と紙ディスク式のオルガニートを購入してみたんですよ。
で、これが20弁とは思えない程に音量も豊かで、かなり聴けるレベルの音で結構よろこんだりしたんです。
亀太郎さんやたっこまんさんがWebサイトで熱心に取り上げている理由が、なんとなくではありますがわかりましたです。
紙のメディアを作ることができるということでイロイロ遊べそうだな〜とか思って楽しみなんですが、何か今までオルゴールを買って聞いた時と違うという違和感があったんです。
それは確かに音は違うのですが、なんだかもっとこう感覚的な部分で変な感じが。
なんでそんな感じを受けたんだろう…
どーも最近どんどんとオルゴール関連の守備範囲が広がっちゃいまして、だんだん収拾がつかなくなってきつつあるんですが、でも基本はやっぱりシリンダーオルゴールが好きだって事は変わっていないんです。
で、当然これまで買ったオルゴールはほとんどがシリンダーのものですから、シリンダーオルゴールでは無い感じが何かしらあったんですね、ディスクやカード式のオルゴールには。。
大型のディスクオルゴールになるとノイズが耳についたりするもので、かなり状態の良いもの以外はちょっと好みから外れる部分はあるのですが、あまり大きくない8〜12インチクラスのものであれば、サウンドは好みの範疇に十分入ります。
今回買ったものも、シリンダーで言えば30弁クラスくらいの感じの音が出ていて、それは決して悪くないんです。
でも、どうも見ていても奥歯にモノが挟まったような、なんだか歯痒いようなあんまり楽しくないような気がする…
そんなある日、唐突に、なんとなくわかりました、違和感の正体が。
つまり、「見ていて」楽しくないんですわ。
シリンダーオルゴールなら当たり前に見える櫛歯を弾く瞬間が、カード式でもディスクでも見えないのです。
もちろんスターホイールが回って櫛歯を弾いていると言われれば原理は納得できるんですが、その動きはカードやディスクに隠されて、リアルタイムで演奏を「見る」事が出来ない…
見えるのは回転するディスクや吸い込まれ吐き出されるカードであって、オルゴールの「自動演奏楽器」たる部分が見えないのが気に入らないようなんですね、私の場合。
アップライトの物であればまだ見える部分が多いですが、テーブルトップ型のディスクオルゴールなどは本当に回っているディスクしか見えないです。
実際に櫛歯を弾く動きを見たいのに見えない…どーもこの見えない事にストレスを感じているんですね、個人的に。
考えてみれば、どこの博物館に行っても演奏中のディスクオルゴールで櫛歯の振動を目で確かめられるものは無いような気がします。
ちなみに、オルゴールの小さな博物館に振動を体感出来るディスクオルゴールが設置されていまして、その側面はガラスで出来ており、真横から動作を見る事が出来るものはありました。
これは調速機構や香箱周辺、コインオペレートのメカニズムなどは良く観察できますし、振動を体感出来るという事そのものも非常に興味深いものです。
でも、残念ながら真横から見ても見えないんです、櫛歯の部分までは。
それなら透明な中が見える素材でディスクを作れば…と思ったんですがこれも難しそうですね。
演奏のためにはスターホイールを回転させて櫛歯を弾くのに十分な強度の裏面の突起が必要で、しかもディスクを反らせて演奏出来るだけの柔軟性も必要です。
ガラスでは双方を兼ねる事は難しいですし、アクリルやプラスチックでも強度がネックになりそうです。
「 透明な金属盤」というのも、ちょっと無理ですね。
見える様に網目状に…これも実際的では無いような気がする。。
などと、とりとめの無い事をしばらく前から考えていたのでした、主として仕事中に仕事の合間などに。(笑)
で、ひらめきました。
一休さんの「チーン!」ってヤツです。
ディスクの裏面に突起を作らなくても良いオルゴール、うちにあるやん。
そうです。
紙ディスクのオルガニート。
これなら厚紙程度の強度の素材で演奏出来る設計になってます。
反らせて使う事を考えても、薄手のプラスチック板あたりでも強度は十分でしょうし、なんとなく出来そうな気がしちゃいます。
出来そうな事はやってみたくなるわけで、当然実行すべし…私の悪い虫は毎日騒ぐのです。。
なんだかやたらと前置きが長くなってしまいましたが、今回の本題はココから。(笑)
透明なディスクを作ってディスクオルゴールの演奏を「見て」楽しもうというわけです。
ほぼ同じムーヴメントのカード式の方が手軽な気がするんですが、こちらはカードの通り道のガイドが金属部品で、カードを透明にしてもあんまり見えそうもないので今回は却下です。
ディスクの素材には、近所のホームセンターで買ってきた0.3ミリ厚のプラスチック板を用意してみました。
これが3枚入りで240円。
3枚あれば、失敗してもやり直し出来るということで…
このプラスチック板はその店で売っていた中では一番薄いもので、これなら三協オリジナルの厚紙と変わらない厚さと強度は期待できそうです。
他に通常のカッターや固定用のテープなど、家にあるものでなんとか作ってみようとチャレンジしてみました。
まずはプラスチック板を、たっこまんさんの「音のキャンバス」(すみません、今のところまだユーザー未登録です…)で印刷した紙に固定し、穴の位置決めをしていきます。
その後、ディスクのサイズに合わせてコンパス型のカッターで円形に切り取りました。
これもプラスチック板は結構カタイので大変だったんですが、なんとか困らない程度に切り取る事に成功しましたが周囲はちょっとガタガタになっちゃいました。。
で、曲譜の穴を開けていくんですが、カッターやポンチなど試してみてもどーも上手くいかなくて困りました。
結局、カード式オルガニートに付属のパンチで開けるのが一番簡単でキレイだったりして…でも、紙用に作られているものなので、他の方にはオススメはしないですけど。。
ちょっとチカラが要りますが、実は紙よりも穴は開けやすいです。
で、中心の穴開けにもちょっと失敗したりしながらも、なんとかカタチにしてみました。
↓試作ディスク第一号。(クリックで拡大)

外周部分や中心の穴がキタナイのがよく見えます…
早速オルガニートにセットして試聴!…………大失敗。。
回ってくれませんでした、ディスク。
原因は2点あるようです。
一つにはプラスチック板では摩擦が不足しており、外周の駆動部分のゴムが空回りしてしまうようです。
また、曲譜の穴の仕上げが悪く、スターホイールのところで引っかかってしまっているみたいでした。
他にも外周部をキレイに切り取れていなかったり、中心部分の穴も上手くいかなかったりで課題は結構残っています。
ん〜む、困った。。
しかし、なんとかリベンジの策を練らなければ、ここまでやったら引っ込みがつきません。
一つ目の駆動が上手くいかない点は、少し摩擦抵抗を強めれば良さそうなので、外周部分に紙を貼り付ける事でなんとか出来そうです。
二つ目の曲譜の穴は、プラスチック板の裏側に紙を重ねて一緒にパンチすることで、かなりバリの発生を防ぐ事が出来るようです。
他の問題点は作業の方法を見直しながら作ることにします。
ということで、試作品二号を作るべく、再度作業開始!
今回も「音のキャンバス」でディスクの型紙を用意しますが、ただ重ねて位置決めをするのではなく、型紙のディスク外周部分から少々ハミ出すくらいの範囲に接着用の糊を円形に塗り、そこにプラスチック板を貼り合わせます。
↓ここまでの状態。(クリックで拡大)
外周の糊の部分もなんとか見ていただけると思います。
で、乾燥させた後、まずディスク部分を円形に切り抜きます。
このとき、実は少し大きめのハサミを使って切ったのですが、これはコンパス型のカッターで切るよりもずっとキレイに仕上がりました。
外周部分は張り合わさっていますから、今回はそのまま重ねてパンチで曲譜の穴を開けてしまいます。
この時、紙の貼ってある裏側から上面に向けて打ち抜くようにすると、パンチしたときのバリが残りにくいようです。
↓曲譜の穴まで開けた状態。(クリックで拡大)
全ての曲譜の穴を開け終えたら、このままでは当たり前ですが演奏時の動きは見る事が出来ませんので、貼り合わせてある紙を外周から5ミリ程度を残してコンパス型カッターで切り取ります。
これで駆動時の摩擦抵抗を確保してやろうという訳です。
あとは中心部分の穴を開けるのですが、これは小さな穴を錐を使って開けて、段階的にプラスドライバーの先などを使って大きく広げていきました。
ボール盤でもあれば楽なんでしょうけど、一般家庭では、ね。
カッターなどで切り取るよりは、時間はちょっと余計にかかりますがきれいに仕上がります。
で、バリが残らないように軽く全体の仕上げをして試作品第二号完成!
オルゴールにセットしてみたら↓こんな感じ。 (クリックで拡大)
で、おもむろにスイッチ・オン!…………いぇい!
ときどきちょっと引っかかったりもしますが、今回は動いてます。
もちろんスターホイールの回転も見えてます。
櫛歯の弾かれて音が鳴る動きもちゃんと確認できます。
これは見ていても結構楽しい♪
実験は大成功です。
数回転演奏していると、引っかかりもほぼなくなりました。
オルゴールの博物館や演奏会でも見えないものが目の前にあるというのは、それだけでも結構快感だったりして。。(笑)
というか、これは博物館の展示に欲しいかも。。
言葉で説明されるよりも絶対にわかりやすいです。
普通のディスクオルゴールではちょっと大変ですが、この穴あけタイプだからこそ出来る荒技ですね。
オルガニートでは櫛歯の幅とスターホイールの間隔も広めに作られているので、観察するには一番良い機械なんじゃないかと思いますです、ハイ。
穴あけディスクタイプのディスクオルガニートをお持ちの方は、次の休日にでもこんな工作で遊んでみてはいかが?
家にある材料を利用すれば、コストもほとんどかからないで一日遊べますよ。
※ 写真にはあまり写っていないですが、実は曲譜の穴を開けるときにどうしてもプラスチック板にある程度の細かいキズは付きます。
演奏の様子を見るために邪魔になるという程ではないですが、キレイに仕上げるには後一工夫必要かもしれません。
両面に紙を張ることも考えたのですが、それも上下の位置を合わせるのが難しそうだったので今回は目をつぶりました。
また、材質が材質ですから、音は紙のディスクに負けてると思います、ハイ。