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1 : オルゴールと出会ってしまった

出会いは突然やってくるもの・・・でした、オルゴールに関しては。

あれは忘れもしない2002年の4月の・・・何日だったかな?
とにかくゴールデンウィークの前日の金曜日に有給休暇を取り、妻と二人で箱根に一泊旅行に出かけた時のことでした。
薄給のサラリーマンには精一杯の贅沢でウィークデイの格安パック料金で山のホテルを予約し、新宿からロマンスカーで箱根湯本に一直線!
で、着いたは良いのですが・・・どこに行ったものやら。。
ホテルには夕方にチェックインすることになってましたので、それまでどうしたものかと観光ガイドとにらめっこです。
リゾート地なんて縁が無い性質なもので、とりあえず手近な観光スポットから行ってみようということになりました。

で、見つけたのが「箱根ガーデンミュージアム」。
そこの「箱根おもちゃ博物館」というのが名前からして楽しそうだな〜という事で箱根湯本駅から無料送迎バスで到着。
開運なんでも鑑定団に出ている北原氏が経営されているらしいということで期待しつつ向かいます。
入り口の愛想笑いのおにーちゃんが言うには、なんでも隣に「オルゴールの小さな博物館」とやらがあって、そっちとセットだと入場料が割安なんだそうな。
どーせ夕方まで時間はたっぷりあるし、ついでだからヒマつぶしに見てみようかということになりセット券を買って入りました。
しかし・・・・・・・・・ツマンネ。。
マニア垂涎の貴重な品ってのは、要するに普通の人にはタダの古びたゴミ一歩手前のオモチャというのがほとんどですわ。
ほんの10分ばかりで一回り見てしまい、ハイお出口はこちらと・・・
まぁ、中にはホントに溜息と一緒に涎が出そうな精巧な木製のミニチュアカーとかもありましたけどね。

そんなわけで、入場料を損したとまでは思いませんでしたけど一回見ればいーやなどと話しつつ、セットのオマケの「オルゴールの小さな博物館」に向かいました。
こちらは夫婦そろってな〜んの期待も先入観もナシでのご入場です。
なんたって「ついで」の「オマケ」だし、建物も小さい感じだし、そもそも「小さな」とか名前からして大した事無いよ〜と言ってる様な博物館だし・・・
そもそもオルゴールなんて、なんだかものがなし〜感じのちゃっちい音しかしないものでしょ?

で、入ってみると・・・・・・あれ?結構広いかも。。
客が私たち二人だけだった事もありますが、館内は仕切りの少ない構造で天井が高く、外から見た印象よりも随分と広く感じられました。
入り口近くには精巧なジオラマがあり、奥の方にはグランドピアノだの大きな木の箱や家具みたいなものだのが置いてある様です。
オルゴールはどこだ? あ、発見。
ジオラマの横に10数センチくらいの大きさのオルゴールの機械がいくつも入った箱を見つけました。
ボタンを押すと中の機械が動くらしいのですが、押しても動かない・・・
博物館のおねーさんが慌てた様子で出てきてコンセントを差し込んでくれました。。
係員の説明のときは電源を抜いているのだそうです。
で、挿し忘れたのかな?
とにかくもう一回押してみます、曲はパッヘルベルのカノン。
動いた♪・・・・・・・・・ほぉ。
オルゴールにしては随分とキレイな音出るな〜、これ。
夫婦で話すのも忘れて聞き惚れてしまいましたが、おねーさんが言うにはコレは電気仕掛けで動いてるとのこと。
な〜んだ、電気で誤魔化してるのか。。

そうこうしていると係員がオルゴールについて説明してくれる時間だとのこと、もちろん拝聴させていただきますよ〜、ヒマツブシに。
まずは、入って最初に目に入ったミニチュアを見ながらのオルゴールの歴史の説明。
当然てきと〜に聞き流させていただきました、ハイ。
歴史の時間が終わると、今度は実際の演奏を聴いてみましょうと言うことで奥へ。
係員のおねーさんは大きな木の箱の横に行っちゃいました。
でかっ!…箱の中には、今まで見た事も無い大きなオルゴールの機械が収まっていました。
これ、オルゴールだったんかいな。
こんなのあるんかいな・・・
おねーさんはそんな心境を知ってか知らずかギーコギーコとゼンマイを巻き上げます。
やっぱゼンマイで動くのか。。
んじゃ、大したこと無いな。
そしてカチッを音を立ててスイッチらしきものを動かし、演奏開始。

・・・・・・・・・
・・・・・・なんですと〜!?

おそらくは多くのオルゴールファンの方に訪れたのであろう瞬間が、ついに私にやってきたのでした。
繊細で表情豊かなきらめく様なメロディー、迫力さえ感じられる音量、見事なアクセントとなり得ているわずかなメカノイズ・・・
ゼンマイ仕掛けのオモチャを見に来たつもりでいたのですけど・・・
完敗です。
圧倒されました。
参りました。
私が悪かった、勘弁してください。

その後、次の時間の演奏まで粘って展示されているほとんどの機械の演奏を聞かせていただきました。
ディスクオルゴールや自動演奏ピアノなどいくつも聴かせていただいたのですが、結局私の心を捉えていたのは最初に衝撃を受けたアンティークのシリンダーオルゴール(多分ピアノフォルテだったと思います)でしたけどね。
そして、博物館から満足感と充実感でお腹いっぱいで出てきた時には、私の手には荷物が一つ増えていました。
自分にお土産・・・にしてはちょっと値の張る三協の50弁のオルフェウス。
三十余年の人生で、初めて自分で買ったオルゴールです。
曲はパッヘルベルのカノン。

旅行・・・始まったばっかりなのにね。

 

COPYRIGHT 2003 Cindy All rights reserved